日本の原子力発電所 2011年12月末現在 運転中 54基 4911.2万㎾ 建設中 3基 414.1万㎾ 試運転中断 1基 28.0万㎾ 安全審査中 4基 603.9万㎾ 閉鎖 4基 171.1万㎾ 「核のない社会」冒険 原発設置反対小浜市民の会 中嶌哲演(なかじま てつえん) 「…一切の生きとし生けるものは幸福であれ、安泰であれ、安楽であれ。いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強剛なものでも悉く、長いものでも、大きなるものでも、中位のものでも、短かいものでも、微細または粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに或いは近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは幸福であれ。」 (岩波文庫『ブッダのことば』より) |
これは、これまで機会あるごとに紹介してきた、現代社会に生きる私たちへのブッダからのメッセージである。 お釈迦さまは2500年も前のブッダ(覚者)だけれども、そのことばは、20世紀末の核文明の危機を鋭く照らすとともに、21世紀の核なき社会を鋭く照らし出すとともに、21世紀の核なき社会のヴィジョンを明確に示しているように思えてならない。 (1)核の軍事利用・「平和利用」をとわず、私たちに要求されているのは、「一切の生きとし生けるもの」を包含する視野であろう。現在、人類に限らず「生物生類」が絶滅の危険に頻している以上、それを克服する道も、全体的な視野に基づいたものでなければなるまい。 (2)強大なものが、弱小なものの差別と犠牲の上に繁栄している現在の構造を転換し、各々の個性が平等に尊重され、その「幸福・安泰・安楽」がはかられるべきである。 (3)核・放射能は、まず「微細」で「目に見えない」領域から汚染・破壊しつつ、「粗大」で「目に見える」領域に悪影響を及ぼすことを開示している。全体の生態系は、むしろ前者の |
領域によって支えられているところへ認識と配慮が深められていくべきであろう。 (4)原発現地から「遠くに住む」都市住民、ウラン採掘や放射性廃棄物の処分を押しつけられている住民や国々から「遠くに住む」文明大国の国民の想像力の貧困は否めない。自らの浪費的な生活を問い直しながら、「遠くに住む」弱小の地域や住民への連帯意識と共存共栄の実践方法を見出していこう。わが若狭と関西・中京の大都市圏に限っていえば、美しい若狭の海(漁業・海水浴・観光等)を守ることこそ、相互の「幸福・安泰・安楽」を保証する道である。 (5)巨大な危険性をはらんだ原発とその推進勢力は、放射能にまみれた目先の札束とひきかえに、「すでに生まれたもの」の生命と両親を切り売りさせ、「これから生まれようと欲するもの」の生命をゆがめ幸福を奪ってやまない。来たるべき〃原発のいらない社会〃の微表の最たるものは、やはり「これから生まれようと欲するもの」たちへ深い配慮と責任が全うされることではないだろうか。 |